甘い甘い体


何も言わない私に


「結衣?準備してっ!間に合わないっ」


そう言って、服を着るノリ。



「知らないっ!私明日朝早いから!行くなら1人で行って!」


涙をぐっとこらえて言う。


「結衣・・・?何怒ってんの・・・?」


「わからへんのやったら自分で考えて!もう、知らんし!」


「なんだよ?わけわかんねー」


ノリも不機嫌になる。


黙る私。


大きくため息をつき。


「何?なんで怒ってんの?教えて?」


呆れたような声。


くやしい。


なんで?


デートしたいって。


二人でいたいって。


そう思うのは私だけ?


エッチばっかりじゃなくて、いっぱいしゃべってノリのこと知りたい。


涙がこぼれる。


「知らんってばぁ、もうっ・・・・」


せっかく、長い時間一緒に入れるはずだったのに。


二人っきりになると、エッチしてるか寝てるだけ。


私はノリの何?


ノリは私の体が好きなだけ?


二人で、手つないで、散歩だけでもよかったのに・・・


黙っているとノリの携帯が鳴り出した。



「はい?あぁ、うん。行くって。待ってて。」


携帯を切るノリ。


行くんだ・・・・


待っててって・・・・


「な?結衣?機嫌なおして?一緒に行こ?」


首を横に振る。


「大学の友達のバンドなんだ、人気あってさ、チケット取るの大変なんだよ、せっかく誘ってくれてんのに、もったいないじゃん?」