「なにしてんの?」
低い、いつもより低い声が聞こえた。
その声でさらに体が赤くなるのがわかる。
「おっ優じゃん!どう?ひなの水着!」
そう言って私の後ろに回って肩に手を置く仁君。
恥ずかしいってば・・・・
水着を買いに行ったとき、こんなの絶対着ないって言う私に
「大丈夫だって!これ着たら優絶対可愛いって言ってくれるよ?惚れ直されるって!」
って凛ちゃんの言葉で買おうって思った。
気に入ってくれる?
可愛いって言ってくれる?
この水着買ってからそればっかり気になってた。
なのに・・・
「うるせーよ、仁」
そう言って仁君の手をのける。
ゆっくり優君の顔を見上げると
呆れたような顔で、
「はぁ〜・・・・」
深くため息をついて
ぐいって私の腕をつかんで歩き出した。
怒ってる・・・・・?
似合わなかった?
やっぱり、ダメ・・・?
手を引かれながら、黙って優君に着いていく。
優君は私を連れて、旅館の部屋に戻った。
部屋につくなり、自分の荷物広げる。
「ゆ・優君・・・?」
すると、バサッと白い布が広がって私の肩にかかった。
「これ着とけよ。」
そう言って、一人で部屋を出て行く優君。
私の肩にかかったのは、優君の白いパーカーだった。
隠せってことだよね・・?
この似合わない水着、隠せってこと・・・?
私はペタっと畳の上に座り込んだ。
やっぱりこんな水着、買わなきゃよかった・・・・

