シンデレラガール

先に台詞を言うのは、橘先生の方だ。


「なんで、海なんだよ」


たっぷりと間を取り、橘先生の心情を上手く演技する。


「海なんて、好きだったか?」


その橘先生の問いに、葵の台詞は、、、


「うーん、大して好きなわけじゃないんだけど。ただ、、、」


そう言い、橘先生のことを愛おしそうに見つめる。


「でも、、、海かな?って」

「何が、海なんだよ」


交わる、橘先生と葵の視線。

ここは言い難そうに、切なそうな顔で、、、


「あたし達の関係は終わりにするのは、調度良いのかなぁって」


葵の言葉に、橘先生の瞳が揺れる。

本当に彼は、神崎瑛太は本物の役者だ。

この人の演技に、あたしは食われる。