シンデレラガール

あたしはヒロちゃんの視線を辿り、あかりちゃんが誰か確認する。

そういえば、あの子、、、

午前の部で、1回もOKもらえてなかったような、、、

でもヒロちゃんの言うように午後の撮影が長引き、日程の組み直しになんてなったら困る。

明日はこの撮影の他に、別な仕事も入っているし、、、


「あの子、やる気あるわけ?」

「事務所に力があるからって、この仕事取ったんでしょ?」

「マジ?良いなぁ。あたしも力がある事務所に、入りたかった」


近くの席でご飯を食べていた、共演者の女の子達がそんな不満を溢す。

そんなに大きい声で言ったら、あかりちゃんの耳にも届くんじゃ、、、

それに、そんな僻みを言ってる暇があるなら、台詞の1つでも覚えなよ。

あたしは呆れながら、お弁当の箸を進めた。