シンデレラガール

「彼女なら、どんな役も演じきる。この作品を見たら、どこのスタッフも必死で彼女を捕まえようとするだろうな」

「なら、放送前に知ることが出来た俺は、ラッキーですね」

「特別だ。お前は、俺の1番弟子だからな」


青木聖奈、18歳。

彼女の演技を見た時、坂上監督は一瞬で心を奪われた。

彼女自身が役の人間、その者なんじゃないか?

そう疑わずに居られない、演技力。

それから、坂上監督は彼女が出る作品全部に目を通した。

全く違う役、全て自分のモノにし、演じ抜く。

メイクや服装で、人は変わると言うが、、、

こんなにも別人になり切れる役者は、そうそう居ない。

だからこそ、坂上監督は今回の作品に聖奈を抜擢したのだ。

そんな監督たちの話も知らなければ、そんな風に役者として、あたしのことを評価しているなんて、、、

あたしはこれっぽちも、知らなかった。