シンデレラガール

ダメだ、邪念が入る。

あたしはゆっくりと、深呼吸をする。





あたしは、役者。


『せっかく、良い役者なのに』


ふと、こないだ神崎瑛太に言われた言葉が頭に浮ぶ。

あの役者として完璧な神崎瑛太が、あたしのことを認めてくれた。

それをこんな所で、台無しになんてしたくない。

この撮影を終えて、誰かもわからないテレビの向こうの人に見られる。

その時、誰か1人の目に、、、あたしが映ることが出来る?

そのチャンスが今、目の前にある。

絶好のチャンスが、、、

過去に変な噂がたった、東条恭太とあたしの共演。

東条恭太やあたしに興味がない人も、興味本位で見てくれるかも知れない。