彼女の父親、ワーズナー・パーラーは何をするにしても、これまでずっと成功続きだった。
味をしめてしまった愚かなミスターパーラーは、自分こそが神のごとく正しい人間なのだと思い込んでしまっていた。
そのおかげで、彼は実の娘をただのあやつり人形としか思っておらず、彼はアビーが生きてきたこれまでの二十六年間をずっと、『でくのぼう』呼ばわりしてきた。
それでも、アビーはなんとか自ら行動を起こそうとした時もあった。
けれどそのたびに、ミスターパーラーは何ひとついい顔をしなかった。
そのおかげでアビー自身、自分が何も出来ない役立たずな人間なのだと思い込み、精神的に追い込まれ、そしてついに、彼女は、はじめの言葉を続けて発してしまう、『吃音症(きつおんしょう)』にまでなってしまったのだ。
そんな彼女の母親、スーザンは――といえば、これもまたひどい。



