my favorite story

何があったかは、まだ聞いていないから分からない。

だけど、彼女がこんなにも傷ついているのだから、きっとすごく、苦しいことがあったのだと思う。

「……昼ごはん、ちゃんと食べた?」

コクっと頷く風葉ちゃんは、色白で細くて、小さくて頼りない。

だから心配で、ほっとけないのだ。

そしてそれ以前にーーーーーー風葉ちゃんの笑顔が好きだから、こうして一緒にいる。

もう一度笑ってほしいから、

「そっか。」

何だってしてやりたいって思うのに、

「あったかいね、今日」

口から出てくる言葉は、ありきたりでどうでもいいことばかり。

それでも俺にとっては精一杯で、何を言っていいのかがさっぱり分からなかった。

すでに正面を向いてしまっている風葉ちゃんは、あいかわらずの無表情だ。

その姿に、あの日の風葉ちゃんを重ねて、1人で悔しくなる。