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「そう、なんだ……」

どう言っていいのか分からない、というように風葉ちゃんはうつむいた。

それを見たら、何故かスッと冷静になった。

「俺、どうしよ……」

「……」

「本当、何もなくなっちゃった」

次の瞬間、彼女はハッと顔を上げた。

「そ、そんなことない!」

そんなことないよ、と彼女はとても必死で。

「違うよ。祐志くんは、それだけの人間じゃないよ。優しいし、勉強だってできるし……それに……」

必死に、彼女は何かを探している。

「……とにかく!」