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「……どうしたの?」

困ったような顔をしたまま、風葉ちゃんは曖昧に笑った。

ボンヤリと風葉ちゃんに近づいた俺は、

「ダメだった」

ボソリと、吐露した。

「え?」

聞き返した風葉ちゃんに、もう1度言った。

「ダメだった」

「ダメ?」

「肩、もうダメだった」

「肩……」

「野球、もうできねぇって」

「……」

「高校も、推薦ダメになった」

「……」

淡々とした事実だけが、口からこぼれた。