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「あ、急いでるから、先に行くって?」

コクっと頷いた。

「じゃあしょうがないね。後で、また……」

言い終わる前に、風葉ちゃんはサッサと歩き出した。

後で、そう言ったけれど、その日、俺と風葉ちゃんがきちんと顔を合わせることはなかった。




あれから一週間がたった。

風葉ちゃんは廊下で会っても、目をそらしてそそくさと歩いていってしまう。

昼休みによく来ていた、裏庭のベンチにも、来なくなった。

『どうしたの?』とメールしてみたけど『何が?』と返ってくるだけ。



どうしたらいいかわからないまま、二週間たつ頃には、俺と風葉ちゃんは完全に疎遠になっていた。