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サァーッと吹き抜けた優しい風に、彼女の長い髪がサラリと揺れた。

彼女は空を見ていた。

つられて俺も空を見上げたけれど、ただただ晴れ渡っているだけで、彼女が何を見ているのかはわからなかった。

それにしてもいい天気だ。気持ちいい。

「風葉ちゃん……」

呼んだきり、なにを話していいかわからなくなった。

だけど隣を見ると、風葉ちゃんはしっかりとこちらを見ていた。それだけで、ホッとするような、恥ずかしいような、そんな不思議な気持ちになれた。