だって目の前にいる守谷はほんとに王子様みたいだから。 きっとお兄さんはもっともっと大人っぽいんじゃないかな・・・とか考えてみたり。 しかしそこはグッとこらえた。 「兄貴の噂が昔のことでも、この学校にも風使の顔を知ってる奴がいるかもしれねえし、 新沢だって噂知ってたんだろ?」 守谷に聞かれて静かに頷く。 それを見た守谷は、フッとまた悲しげに笑った。 「だから俺はーー...」 まっすぐな守谷の瞳が何か覚悟を決めているように見えた。