でも、考える暇もなく守谷は言葉を続ける。
「なんでこんな格好でここにいるんだろーな、俺。」
その言葉は自分に聞いているようにも見えた。
でも、
私はわからなかった。
その格好っていうのも、メガネ姿の守谷のことなの?
それとも、目の前にいるおとぎ話に出てきそうな王子様の守谷のことなの??
・・・わかんない。
わかんないよ。
自分は守谷の1ミリすら知れていないのかも、なんて思っちゃう。
そしたら不思議とギュッと優しく心を掴まれたみたいに胸が熱くなって。
しだいに息ができなくなるんじゃないかってくらいに苦しくなる。
おかしいよこんなの、
さっきまではドキドキしてたのに、
どうしてこう、
私の心は落ち着かないの?

