いろんな子から告白されても、ナツキは私だけを見てくれる。
それは分かってる。
分かってるのに、
信じてないわけじゃないのに、
不安になる。
いつかすっごく可愛いくて、性格がいい人が現れるかもしれない。
私がこんなにヤキモチやいてるのを知ったら、引いちゃうかもしれない。
.......嫌われたくないよ。
ナツキがいろいろな子に告白をされても、丁寧に断るのはナツキの優しさだって、信じる。
だから、何も言わずに頑張る。
きっと、私たちなら大丈夫だもん。
ーーーーー........
「ねーいっ帰ろ」
いつの間にか放課後になってて。
莉莎子が私の席までやってくる。
莉莎子の彼氏の充くんも、実は体育委員だったり。
「うん...
でも一応ナツキにひとこと言ってくるね」
カバンを持ち、ナツキのところまで行く。
「ナツキ、帰るね!またあしーーー.....」
そこまで言って、止めてしまう。
ナツキにかけよる女の子にかき消されちゃった。
「ナツキくーん、ちょっといいかなあ?」
可愛い仕草でナツキの腕を掴む。
ヤダな......。
触らないでほしい。
彼女の前で触ることないじゃん。
って、私またいやなこと考えてる。
ハッとすると、ナツキは困った顔で私を見る。
「ネイ、ごめんね。
また明日な」
そう言って隣をその子と通りすぎる。