もう...。
この名前を見ただけでドキドキしちゃう。
やっぱり、昨日のことが頭をよぎる。
あのキレイな女の人が彼女、
だったらどうしよう。
とか、
守谷には好きな人が、
いるのかな?
とか。
そんなこと考えられないくらい忙しいなんて。
私には守谷のことを考えないための言い訳になるのかな?
「寧位〜
もう書き終わった?
はやく出さなきゃ衣装取り損ねるぞ〜」
名前を呼ばれて振り返ると、莉莎子が近寄ってくるのが見えた。
また私ボーッとしてた。
そんなことじゃ、守谷のこと諦められなくなっちゃうよ。
「あ、ううん。
あと1人だけ聞いてないの」
「ハア〜?
はやく聞きなさいよ!!
誰?聞いてあげる」
そう言うと私のメモを覗いてくる。
莉莎子、今日は巻いてるんだ〜
栗色のロングヘアがキレイに巻かれてて、
ツヤがよくわかる。
私も、巻いたらツヤツヤになるかな〜
でも、やったことないから私がしたら下手くそになるよね。
やめよ。
なんてくだらないことのんきに考えてる私。