でも、何で黙っていたのかを知りたい。

「…ゆ、勇君。ごめんなさいぃ」

俺に抱きついてくる麗夏さん。

こんなに愛おしかったんだ。

俺は今…満たされている。

「…無理やりだったの!もう…勇君に会えないかと思ってた…」

麗夏さんは更にギュッと抱きついてくる。

「…おい!麗夏!俺と婚約するんだろ?」

怒りっぽく男は言うと、俺と麗夏さんの間に入ってこようとする。

俺はこの雰囲気をぶち壊されたことにイライラした。

どこかの息子だかなんて関係ない!

俺だって息子だっちゅーの!

俺はその麗夏さんを呼び捨てで呼ぶ男が入ってこようとするので、足で脇腹をガツンと一発。笑

だって…麗夏さんを呼び捨てで呼ぶあたりもイライラする。

ポッチャリとしたご両親も怒り散らしている。

しらねぇーわ!

「…川原さん、この話はお断りよ」

カップを置いて、麗夏さんのお母さんが入った。

「…え?」

訳が分からないといいたげにするポッチャリした川原さん夫妻。

「…ウチの麗夏にどれだけセクハラするのですか?…分かってます?もう…麗夏には婚約者がいます」

………………え?

マジですか?

嘘だろ…?

なんで?

…コレじゃ俺も手出しは出来ない。

抱きついている麗夏さんを突き放す。

「…初めて聴いた。麗夏は…俺じゃないの?」

期待させたのに…。

麗夏さんは俺だろ?