あの日から1ヶ月が経った。
俺ら2年は…部活を引退した。
総体は7位入賞まで持ち込んだ。
……それ以来、菅原との接点はまるで皆無。
「…菅原に会いてぇ」
あの怪我のことは今でも隠されている。
後から聞いた話によると…ウォーミングアップを一人でしていたらしく、早いやつは徹底的に潰しに行く。
そんな奴らがいたらしく。
そこでヤられた…らしい。
本人は、転びました…なんて言ってっけど…。
「…菅原ぁ」
俺の声は虚しく教室に響く。
「拳ちゃん?大丈夫?」
ヌッと出てきた顔。
俺は毎回のように横目で見る。
「…七逢。俺、好きな子と接点がまるで無い」
そう言うと七逢は…なるほど!、と手を叩く。
「…あたしだったら、挨拶とか、メールとか…するけどな?菅原ちゃんだっけ?」
「…うん。菅原天空」
「…天空ちゃん?……………」
ごめん………。
なんで黙る?
「…透流!透流ってこの学校に従兄妹居たよね?」
七逢は友達と話していた、限島に問いかける。
「…?まぁ、陸上部だけど…」
「…それって、菅原天空ちゃん?」
「…うん。それだけど?…七逢、もしかして…」
俺は勢い良く限島の口を塞ぐ。
流石は陸上部…あ、元ね?笑
「うがっ!?っ…」
顔を真っ赤にして酸素を欲しいと表現する限島に。
俺はニコリと笑いかける。
「…限島。頼みがあるんだ。菅原のメールアドレスが欲しいんだ!頼む!」
「…じゃ、酸素をっ」
吸えてないってすごい!
俺はすぐに限島の口から手を離す。
「ぷはぁーー!」
そして、睨みつけられる。
でも、顔が紅いせいか…全く怖くない。
「…あたしからもお願いだよ!拳ちゃんが要約恋愛まで発展したの!」
彼氏に……土下座をする七逢!
「…う、うわぁっかたから!早く立てよ!」
限島は七逢を立たせて、仕方なくに教えてくれた。
「…七逢!限島!ありがとう…俺、頑張るから!」
俺は笑って、教室を飛び出した。
早く伝えたい。
俺は一か八かの作戦に出る。
もう授業は始まっている頃。
もしかしたら、菅原は俺のことでああなったとかもしれないから…。
きっと、仲良くするな…とか言われたのかな?
菅原のことだから、きっと言い返したに違いない。
「…よし!」
俺はグラウンドに来て、準備。
体育やって無くて良かったぁ。
俺は体育倉庫に行って、ラインカーを準備。
そこから、いっき思い切って…線を引く。
[今からグラウンド、見てくれ」
1年B組の窓が開いた。
菅原が先生に怒られながら、コチラを見ている。
それも承知済みだ。
「…俺は…菅原天空が好きだぁーーーーーーーーーー!!」
俺は思いっきり叫ぶ。
他の学年の奴らもなんだなんだ、と窓を開けて見ている。
すると、菅原は口に手を添える。
「…あたしも…、あたしも佐渡拳矢が好きでーす!」