「…七逢?」



あたしのその声を聞いて、ヤバイって思った。




「…あ!明希!」



七逢は笑顔で明希に近づく。



「コレ、一緒に行かない?」


七逢はチケットを一枚明希に手渡す。


「え?」


明希は驚いた顔。



そして、チラリと限島君を見た。



限島君は、ため息を漏らす。



「…4人で行かないか?」



あら、珍しい。


「…な、なるほど」


明希の顔は、笑顔が引きつっていくばかりで…。



「そー言えば明希!お弁当要らない?」



あたしは話題を逸らすのと、七逢たちから離れるためのタイミングを作る。


「…?あ、嗚呼」


明希は軽く分かってない。



「…い、行こう!七逢、2人で行きなよ!限島君はそれを望んでるよ」


あたしは、ね?…っといやらしく笑う。


すると、珍しいくらいに焦りだす限島君。


「…そーなの?じゃあ2人で行こうよ!あたし楽しみだなぁ」



幸せそうな笑顔の七逢。



「…七逢」


ボソッと聞こえた声に振り向くと、明希が寂しそうに。



泣きながら、笑って居たんだ。




「…七逢、幸せに」