「マジで、走んなって!!」 カナトの手が、私の腕に触れた。 ぐいっと手を引かれる。 いつの間にか、屋上へ続く階段の踊り場だった。 「追いついた…ぜってー離さないからな。この手…離さないから」 私の瞳からは数え切れないほどの涙が溢れていた。 「カナ…ト…カナト…私…」