「僕は持ってないです」 「そうだよね…」 なんでカオルくんを疑ったんだろう。 カオルくんは嘘をついているような雰囲気ではなかった。 そこで私はあの紙が破かれた時、きっと部長はそばにいたということに思い至った。 「部長!」 3年生の校舎は少し怖い。だけど、今行かなきゃいけない。 「春原?」 もう朝の練習が終わってHRの前だから、部長も教室にいた。