「本当にすみません。あの、送ってくれなくて結構です。私、部長にお話したいことがあっただけなので…」 放課後練習も終わったガランとした体育館。外はもう真っ暗だった。 「それは、俺が思っているものか?」 部長は真剣な眼差しで私を見ている。 「はい。多分…」 「なら、それは…」 息をついて言おうとした部長の言葉を、私は遮った。 「もう、決めました。これ以上辛いのは嫌なんです」