ブナイレンアイ


バシッ


「へ?」


周りに響いたのは女の子が私を殴った音ではない。


私が振り下ろされた腕を掴んだ音。






「私の瞬発力、衰えてないみたい。よかった」



「な、なによ!」



隣の女の子も怒鳴りだす。




「やーめーとーけ」



突然上から降って来た声。







「長谷川先輩!!」



叫んだのは女の子の方。




その姿はどう見ても女の子が私を殴ろうとしている他なくて…




「ち、ちが、ちがうんです!!」




案の定、女の子たちはオドオドと言い訳を始める。



「いいから。黙れば?」