「きゃ!」 私は後ろに手を引かれたまま歩いた。 後ろに引っ張られているから、誰が私の腕を掴んでいるのかわからない。 「ごめん。ついて来て」 やっと分かった。 この声。懐かしい体温。全部全部コウのだ。 私たちがついたのは裏庭。 ここは人もいないし、落ち着ける。 「ありがと。コウ」 「いや…」 そこでコウは言葉を止めた。 「守ってやれなくて、ごめん…」