「いえ、僕が悪いみたいですよ?」
そう言ってカオルくんは後ろにいた4人を前に立たせた。
「同じクラスの女子です。彼女たちです。上履き隠したの」
「でも…ミキちゃん?」
私はミキちゃんを振り返る。
「私は、机と教科書しかやってないよ…」
「この子達がやったんです」
なんで…?という気持ちばかり。
私をいじめても、どうしようにもないのに…だって、私はまだ…
「カオルくん…騙されてるよ!この先輩に。だってこの人彼氏いるんでしょ?みんなに色目使って…」
物理的ないじめより、傷ついたのが自分で分かった。
「そうだよ。カオルくんはみんなの…」
「は?僕がみんなの?なに?あり得ない。僕が仲良くする人も、好きになる人も、自分で決める。お前達はその人みんなにこんな事するのか?」
カオルくんは豹変した。
当たり前かもしれないけど、言葉遣いは私たちに対するものとは違うし、鋭い目つき。

