「春原?おい!春原?」 震え出した私を心配したのか、部長が私の顔を覗き込む。 「大丈夫なのか?ここじゃ目立つから場所変える」 部長に連れて来られたのは屋上だった。 私が避けていた場所。 「大丈夫か?本当に何があった?」 言えないよ。絶対。バスケ部のみんなには。 「大丈夫だから、俺だけしか聞いてないし、絶対何とかする」 部長は真剣な眼差しで私を見つめた。 その瞬間、温かいものが私の頬を濡らした。 「あれ…?なんで泣いてるんだろう。おかしいな…」