「なんだよ。それ。」

玲央が

私の腕を掴む力を

少し強めた。

「だって、そうじゃん!

私と花音は双子だもん!

私が笑ってなくても

花音を

見ればいいじゃん!」

「なんでそんなこと

言うんだよ!」

ビクッと

肩がふるえた。

怖くて

玲央の顔を

見る事が出来ない。

「双子でもお前と

花音は

全然違うんだよ。」

「玲央…」

「だから笑えって」

涙が出そうなくらい

嬉しい言葉だった。

ふっと顔を上げると、

そこには笑顔の

玲央の姿が。

私は愛しい人の名前を

呼ぼうとした。

「れ…」

でも許されなかった。

玲央の後ろには

花音が私達を

ずっと見ている。

そして

私はまた酷い言葉を

口にする。

「やめてよ。

そんなこと言われても、

嬉しくないんだけど。

もうほっといてよ!!」

「心配されるのが

迷惑なのかよ。」

「迷惑だよ!!」

私は玲央の腕を

振り払って走った。

涙が止まらなかった

大好きだよ。

玲央。