「だって、

花音の好きな人は、

玲央くんだもん。

音羽は…

興味ないよね?」

え…玲央なの?

玲央は高校に

はいってすぐに

仲良くなった

唯一の男友達。

でも…私にとっては…

友達から…

好きな人に

変わっていた。

仲良くなって

お互いに打ち解けて

いく内に

玲央の事を好きに

なっていた。

もうかれこれ

1年以上片想いを

続けていると思う。

でもこうなった今

「私も好きなんだ…」

なんて言えないよ…

「音羽は玲央くんと

仲良い感じだけど、

男友達っていってたし

うちらのタイプは

違うもんね?」

「う…うん」

私はこう答えるのに

精一杯だった。

今年は絶対に

この関係から

おさらばしようと

決めた途端に、

まさか…まさか

花音も玲央が

好きだなんて…想定外!

玲央が好き。

でも花音も好き。

玲央を諦めたくない。

だって…

私にとって、玲央は…

運命の人だから。

だけど…

花音を

悲しませるようなことは

したくない。

あたしは頭の中で、

どうすればいいか、

かっとうしていた。

乙女な表情で、

玲央の事を話す

花音を呆然と

見つめながら。