花音に触れられた

背中が

暖かい。

無理にわらう

花音の笑顔は

目をそらしたくなるほど

悲しみで

いっぱいだったけど、

こうやって背中を

押してくれた

花音に

やっぱり

世界一大切な妹だなと

愛がこみ上げてきた

いま玲央が目の前にいる

だから玲央を見つめて

たくさん傷つけたけど

それでも好きだと

言ってくれた

私の大好きな人。

花音に玲央が

好きって言われたときは

悲しくて

苦しくて

傷つき

傷つけた

けど

それももうおしまい。

素直になって良いんだ。

この想い

伝えて良いんだ

ありがとう。 花音。

心の中で呟いた

そして

「玲央…」

愛しい人の名前を呼ぶ

好き。

名前を呼ぶたび

思いが溢れる

だめ

涙はまだ流さない。

「何…?」

玲央が一歩、一歩

私に近づく

手を伸ばせば届く距離だ

私は玲央の手を握りしめ

玲央の

綺麗な目を見つめた

そして

大きく息を吸って

こう言った


『好きです。』