好き。

好きだよ。

玲央。

今すぐにでも伝えたい。

大好きだよって。

でも伝えたらどうなる?

そんな事

目に見えてるから。

だから

伝えることは

出来ない。

大好きな妹を

傷つけていいの?

だめに決まってる。

玲央の事

諦めていいの?

嫌だ。

誰にも渡したくない!


どっちも取りたい。

私も花音も

幸せになりたい。

私はわがまま。

いつの間にか、

玲央が来ていた。

「音羽!まて」

「こないで!」

お願い。

こないで。

「そんなに泣いてる

音羽、

見たくねぇもん。」

――ポロ…

私のおとした涙を

地面が吸い取る。

泣いてたんだ。

玲央。

これ以上、

私に優しくしないで。

そんな事したら私っ!

「何かあったのか?」

「私っ!」

「ん?」

「私っ玲央が…」

止められなく

なっちゃうから。