空の窓から

確かに、もう少し歩いた先に、橋はあった。

確かに、人一人が通れるぐらいの橋だった。


本当に、人一人が通れるぐらいの。 嘘じゃなくて、本当。


「…よくこんなとこ、知ってるね…。」

"お互いのことは、まぁまぁ知り尽くしている相手"は、正直にそう思い、その率直な気持ちをこめて、台詞を告げた。


その橋は、非常に細長い橋で、文字通り、人一人分の幅しかなかった。

流石に木製ではなく、ちゃんとした金属らしきもので作られている橋だが、何かあったら折れちゃうんじゃないかと思えるぐらいの細さだった。

上に乗って歩いてみると、少しだけ橋が軋む音がする。


「これ、向こう側からも人が来たらどうするの?」

その言葉を聞いた窓香は橋の上で立ち止まり、後ろを振り向きながら、
「前に見かけた時は、お互いが道を譲り合いながら、すれ違ってたよ。」

そう言うと、くるっとまた振り向いて、橋の上を歩き始めた。


程なくして橋を渡り終えると、舗装されていない道に出た。


窓香は、何も考えずに歩き出した。


"お互いのことは、まぁまぁ知り尽くしている相手"は、足元の靴が汚れないようにと、慎重に、道を選びながら、窓香の背中を追いかけるようにして、続いて歩き始めた。