空の窓から

二人は立ち上がると、窓香の家の方へと向かって歩き出した。




ハズだった。




「窓香の家、こっちでしょ?」

"お互いのことは、まぁまぁ知り尽くしている相手"は、程なくして辿り着ける位置にある、自動車も通行できる橋がある方を指差していた。


「ううん、こっちの方が近いの。」

窓香は、河を挟んで向かい側にある自宅へと向かうにも拘らず、橋の無さそうな道の方へと歩こうとしていた。


「……本当に、そっちの方が"近い"のね?」

「うん、こっちの方が近いよ。ちゃんと渡れるから、大丈夫。」

「…そう、分かった。窓香がそう言うんだったら、じゃあ、そっちから行こうか。」


そう言いながら、"お互いのことは、まぁまぁ知り尽くしている相手"は、少し不思議そうな気持ちで窓香を見ていた。

(私なら…。大きな橋があって、その橋を使って帰れるならいつもそうするだろうし、わざわざ他の道を探したりはしないだろうな。窓香は、よく分からない所で色んな事を知ってたりするけど…。色んな事に興味がある人って、窓香みたいな人の事を言うんだろうな。…窓香は大丈夫って言ってるけど、本当かなあ?…まぁ、大丈夫って言うんだから、全くダメって事はないだろうけど。……にしても、この子、もうちょっと女の子らしく出来ないのかな。オシャレの一つや二つ、減るもんじゃないし、男の子にだって好かれるのになあ。……窓香は別に男の子に好かれても嬉しくないんだろうけど、まずそれが女の子っぽくないんだよなー…。…まあ、私もか。………。)