外は闇になるまで、確実に迫っている。辰巳の歩く速度は変わらない。

時間は経ったが、後ろを向けば廃墟は見える。

辰巳は、廃墟に行っただけで、このようになった事が悔しかった。
辰巳は歩く速度をあげようとするが、不快な匂いが邪魔をする。




なんとか、廃墟が見えなくなる場所まで辿り着いたが、完全に周りは闇に包まれていた。

だが、ここまで来ると、辰巳は不快な匂いが薄れ始めた事に気づく。

匂いが薄くなるにつれ、一人で歩ける様に思えた。

「もう大丈夫だ」

二人の肩から腕を外す、正常には歩けないが、一人で歩ける状態にはなった。

「…寒いですね」

雨で濡れたせいだろう、時間が過ぎる度に体温が下がるのが分かる。

公平は少し考え

「そうだな…、一回学校に行って着替えないか?辰巳も休んだ方がいいだろうし」

慎太郎は辰巳を確認して「そうですね、それが無難ですね」