ひと夏サイダー。

しばらくの沈黙。
やがてそれを破ったのは、青山さんの明るい笑い声だった。
「あははっ!あははははっ!」
「な、なんで笑うんだよ!!!」
俺の問いを無視して笑い続けた青山さんは、30秒ぐらいしてからようやく落ち着いたのか、やっと俺の問いに答えてくれた。
「いやー、前森くんは嘘が下手だなと思って。」
「!!」
目を白黒させる俺に構わず、青山さんは話を続けた。
「だってそうでしょ、目の周り真っ赤に泣き腫らしてる人がなんでもない、な訳ないでしょう。」
言われてみれば確かにそうだ。
「なんかあったんだね。」
「ハイ、アリマシタ。スイマセン………。」
何故かカタコトで答えてしまった俺に向かって青山さんは再び笑った。
「あんまりくよくよしないでよ。君にはまだ時間あるから。なんとかなるよ。」
「青山さん……………」
なんとなく、青山さんは俺が泣いていた理由がわかっている気がした。
君にはまだ時間がある。なんとかなるさ。
その言葉がすとんと心に入ってきた。
「じゃあ、私はそろそろ行くね。まだ部活だから。」
「お、おう。頑張れよ。」
「ありがとう。前森くんもね。」
青山さんは満面の笑みとともに、中へと戻って行った。
その笑顔は、とても清々しく爽やかで綺麗な笑顔だった。
「あいつ、あんな風に笑ってたんだ……。」
その時青山さんに抱いた感情を、この時はまだ知らない。