誰もいない体育館裏で、俺は1人座り込んだ。
「くそっ…………どうしてダメだったんだよ…………。」
1年間、一生懸命練習した。
それでも春の大会ダメだったから、もっと練習した。
長谷川よりも、大沢よりも、先輩よりも、誰よりも練習した。
それなのに、それなのに!
どうして…………
「俺はダメなんだよ……………」
ぼろぼろと、涙がこぼれてきた。
止めようにも止まらなくて、そのまましゃくり上げる。
「…前森くん?」
「?!」
驚いて辺りを見回したが、誰もいない。
「誰だ?どこにいる?」
「上だよ、上。」
「上?」
言われた通り上を見上げると、少女が1人、窓から顔を出して笑っていた。