またダメだった。
また背番号はもらえなかった。
陽向高校の野球部に入って2年目、
今年最初の大会の背番号を、掴む事が出来なかった俺は、今まで以上に練習した。
でもまたダメだった。
「前森………」
大沢や、長谷川が困ったような目で俺を見る。
「…いいんだよ。」
「でも、」
「仕方無いだろ。監督が決めたことだし。俺の代わりにお前らは頑張ってくれよ。」
俺は一気にまくし立てると、呼び止めようとする2人を無視して、俺は逃げるように体育館裏へと向かった。