今はまだ、俺たちの過去の話をこれ以上するべきではない。
ただ、この話には、青山さんの過去も関わっている。
もしかしたら、青山さんがああなったのは、俺たちのせいかもしれない。
かと言って、今更青山さんに謝って、過去を掘り返すのも酷だろう。
とりあえず、今は前森を応援しよう。
「なあ、和志。」
「ん?」
「さっき言ったこと、訂正してもいいか?」
「?いいけど。」
「前森、一時の俺らにそっくりって言ったけど違うな。アイツにそっくりだ。」
和志は、一瞬ぽかーんとした。
が、次の瞬間クスクスと笑い出した。
その笑いは徐々に大きくなり、グラウンドのどこにいても聞こえる程の大声になった。
「ああそうだ。違いねぇ。アイツにそっくりだ!!」
そう言った和志につられて、俺も笑い出した。
2人の笑い声が、暗くなりかけている空に響いた。