俺は自分の耳を疑った。
青山さんってそんなに大人しい子なの、だって？
「青山さんは大人しいだろ？いっつも本ばっか読んでるし。」
ひろちゃんはまさかとでも言いたげに表情を歪めた。
「確かにいっつも本ばっか読んでるけど、青山さんってもっと明るい子だよ。」
なんだって？
青山さんが明るい子？
いやいやそんなはずは………って、
「えええええええええええええ？？？？！！！！！」
「前森うるさい。」
長谷川の冷静なツッコミで我に返る。
「青山さん、中学の時はいつも誰かと喋ってたし、いつも楽しそうに笑ってたよ。」
脳裏に昼休みの時の青山さんの姿が映る。
中学時代、いつもあんな風に笑ってたのか………。
「それに関しては俺も同感だな。青山さん、塾でもいつも楽しそうにしてたぞ。中山と細木……ってまぁ俺の幼なじみなんだが、そいつらともいつも仲良さそうに喋ってたし。」
そう言えば長谷川とマネージャーは青山さんと塾一緒だったっけ。
塾でも楽しそうだったってことは……
「俺青山さんに嫌われてる……？」
「前森落ち着け。今めっちゃ話とんでるから。」
だって中学時代は楽しそうにしてたんだろ？
1年の時、ほとんど喋らなかったし笑いかけられなかった俺って………。
はぁぁぁぁぁぁぁ……………。
しかし、ひろちゃんはまた難しい顔をして、新たな疑問を口にした。
「でも青山さん、高校に入ってからめっきり口数減ったし、めっきり笑わなくなったけど、何があったんだろう？」