「前森今朝青山さんと来たんだってな。」
「なんでお前まで知ってんだよ。」
長谷川が冷やかすように言ってきて、思わず箸で掴んでいた玉子焼きを潰しそうになった。
「そう苛立つなよ。知洋から聞いたんだよ。」
「菅波か………」
なるほどあいつの存在忘れてた。
そういや青山さんとクラス同じだったっけか。
「お前よろしく青山さんもクラスで騒がれたらしいぞー。もっとも、すごーくドライにあしらったらしいが。」
「まぁ、そのへんは青山さんらしいな。」
青山さんはあまり浮いた話に興味がなさそうだ。
少なくとも、1年の時は1回も聞いたことがない。
「お?噂をすれば前森、あれ青山さんじゃね?」
「ん?」
長谷川の指さす先には確かに青山さんがいた。
男子と仲良さそうに喋り、笑っている青山さんが。