「おはよー。」
「あ、佳奈おはよう！」
いつもどおり教室に行くと、既にわらわらと友達と喋ったりしている女子生徒たち。
その中でただ1人、隣の席のちーさんこと青山千晴さんだけは、1人で本を読んでいた。
「おはよう、ちーさん！」
「あ、お早うございます佳奈さん。」
私が挨拶をすると本から顔をあげて、ペコリと頭を下げる。
いつも思うが、律儀な子だ。
周りの子は、ちーさんは喋りづらいと言っているが、それはちーさんが読書家でいつも本を読んでいる時の雰囲気のせいであって、実際のちーさんはなかなか喋りやすい子だ。
どんな話でも回答を求めると大抵適確な答えが返ってくる。
多分、すごーく頭の回転が速い子なんだと思う。