翌日―。
いつもより早めに学校に行くと、青山さんの姿が目に入った。
「青山さん。」
「あ、前森くん。おはよー。」
青山さんはやわらか〜く笑う。
それを見るだけで、余計な力は抜けた。
「昨日は、ありがとう。」
「え、私は君にお礼を言われることなんてなにもしてないよ。」
と、首をかしげた。
その姿がかわいくてちょっとおかしくて、俺は少し笑った。
「何。何で笑うのさ。」
「いや、なんでも無い。」
ここでかわいかったとか言おうものなら、即頭がおかしい人のレッテルが貼られてしまう。
それは避けねばなるまい。
「ほら、教室行こうぜ。」
青山さんはまだ気になっている風だったが、無理矢理話をそらして2人で教室に向かった。