「薫ー、それ、満面の笑みで言うセリフじゃないよ?」 「え? 満面の笑みではないけど...」 そう言いながら、片手で頬を触る。 あたし、笑ってるだけで満面の笑みに見えるのかな? 「ま、それはどうでもいい。とっとと電話して」 めんどくさそうにそう言った陽架里に、手から醤油の瓶を落としそうになる。 「危なっ......てかそれ、心友に言うセリフですかい‼︎ 陽架里さん‼︎」 醤油の瓶を腕で抱きしめると、キッと陽架里を睨む。