そんなあたしに気づいたのか、 「薫? どしたの?」 不思議そうに聞いてくる陽架里。 思わずハッとする。 「う...ううん。何でもない‼︎ れ、練習練習‼︎」 笑いながら首をぶんぶん左右に振ると、耳から手を離す。 あんまりたいした事じゃないし... 大丈夫だよね。 「そう? てかあとで皆で合わせようよ」 そう言った陽架里に、あたしはただ頷くことしか出来なかった。