「あの、それで......」
そう言って、続きを喋ろうとする萌衣ちゃんに耳を傾ける。
「すれ違って......し、しかも話したんです...‼︎」
その言葉を聞いた瞬間、
「え......」
思わず声が漏れる。
チラッと陽架里を見れば、マネキンのように固まっていて。
ゆっくり陽架里から視線を外すと、萌衣ちゃんを見る。
あたしから見れば、萌衣ちゃんは顔を赤く染めて俯いていて。
そして暫く、
「......」
「......」
「......」
静まり返る部室。
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