華の女子高生ってさ、放課後彼氏と帰るとか、もうまさにエンジョイしてるってイメージだったんだけど......
現実は全くそんなんじゃなくて。
あたしには、あ...この人いいな...っていう人がいないんだもん。
憧れだったんだけどな...高校生で彼氏いるの。
「なーに言ってんの‼︎ 薫には、榊がいるじゃん?」
そう言って、あたしの背中をトントン叩く陽架里。
「うぇ? さっ榊⁉︎ 冗談やめてよね‼︎」
あんなヤツ...あんなヤツなんか、
「恋愛対象外だって...‼︎」
今度はあたしがベースを握りつぶしそうな勢いで、声を張り上げた。
その瞬間、目の前にいる陽架里の目が大きく見開かれて。

