「ねぇ、ひ──」
再び口を開き始めようとした時、陽架里が言葉を繋いでいく。
「榊なら、教室で喋ったきり会ってないから...‼︎ ね、薫‼︎」
そう言った後、あたしに問いかけた陽架里に、
「へ...⁉︎ え? あ、あぁ...うん...」
目を泳がせながら頷く。
何か...陽架里焦ってる...?
気のせいかもしれないけど、顔が赤いし...
「そっか...ありがとな‼︎ じゃ‼︎」
春山君は一瞬曇った表情を見せた後、すぐ歯を見せて、部室から飛び出して行った。
それをただ呆然としながら見つめる。
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