「そいえばさ、俺小腹空いたんだよね」


私を見ながらそう言った春山君に、私はお腹をさすりながら笑う。


「偶然。私もお腹空いてきた」


「ならちょうどいい。クレープ食べたくてさ。今から行かない?」


「......え...」


今、春山君から誘ってきた...?


驚きで、暫くの間瞬きを繰り返す。


「いい?」


私の顔の前で手を振る春山君に我に返る。


「う、うん。私でよければ」



飛び跳ねそうな喜びを抑えながら、口をキュッと紡いで頷いた。




陽架里side*END