「お前なんだよ、中山」
「......へ?」
間抜けた声がもれた。
今、なんて?
あたし......?
「だ、だから......好きなんだよ‼︎ 中山‼︎」
頬を赤く染めて真っ直ぐ見つめてくる榊に、ゆっくりと瞬きを繰り返す。
「う、うそ......」
そんなわけ、ない。
「嘘じゃねぇよ‼︎」
そう言うと、ズカズカとあたしの元に来た榊に、ドキッとする。
「で、でも榊は、あたしの事嫌いなんじゃあ......」
すぐ目の前にいる榊を見ながら、小さい声を出す。
いっつも、ぐちぐち文句言ってたから......嫌いなんだと思ってた。
だから、事実、嬉しいよりも驚きの気持ちの方が大きい。
