「お前、なんだよ。突然電話なんかかけてきやがって」
頭をガシガシかきながら、あたしを見つめてくる榊。
「さ、榊こそ、何でここにいんの......」
「あ? お前気づかなかったのか? さっきぶつかっただろ」
「......」
うん。
質問した答えが返ってきてない気がする。
「で、俺に電話してきたってことは、何か用があんだろ?」
ドストレートに聞いてきた榊に、ギクリとする。
「え......あー、うん?」
「何で疑問形」
「あ、いやぁ......それは特に...」
だって、まだ心の準備ってのが出来てないんだから、無理に決まってる。
もうちょっと、時間があったら良かったのに。

