「薫ってほんと単純だよね」


ふと、そう呟いた陽架里に、首を捻る。



「単純?」


「うん。そう。自分の気持ち、真っ直ぐ貫くよね」


「え......」



自分の気持ちを真っ直ぐ貫く...?



「ねぇ...薫。私と陽架里が出会った時のこと、覚えてる?」



ギターの音程をチューナーで合わせながら、懐かしそうに口にする陽架里。